「真穴の座敷雛」とは
八幡浜市指定無形民俗文化財『真穴の座敷雛』について、本編「座敷雛とは」と続編「座敷雛の歴史」「座敷雛資料展」の3部構成でご説明させていただきます。
『ざしきびなって?』ご存知ない方は「座敷雛」という3文字からどんなイメージを抱かれるでしょうか。雛人形は一般に座敷に飾られることが多いですし…。
実は真穴の座敷雛は「座敷」と「雛」の間に次のような文章が隠れています。
【座敷 “ 一杯に盆栽や石や苔などの小道具を使って庭園や自然の風景を再現し、その中に内裏雛を中心に配置された ” 雛】
…なんです。ややこしい説明の仕方ですみません、百聞?は一見にしかず、昨年平成25年の座敷雛(6軒)の写真をご覧ください。
【山里の春】河野家(穴井)


【和みの春】阿部家(真網代)


【美歓の里】阿部家(真網代)


【名峰喜春】吉川家(真網代)


【雛の里】上杉家(真網代)


【箱根路】古能家(小網代)


どがいですか、真穴の座敷雛はこがいながです。あばけんでしょう。
(訳:いかがですか、真穴の座敷雛はこんな感じです。すごいでしょう。)
▶もくじ
女の子の初節句を祝うひな祭り(家庭行事)ですが、特徴的なのは跡継ぎの家に長女が生まれたときだけ行うことです。
当家の親類縁者、友人、近所の人たちが家具一式を運び出し、襖や畳を取り払い、何もなくなったところに、棟梁(とうりょう)と呼ばれる総指揮者の下、テーマと構想に沿って、壁や天井に幕を張り、みかんの木箱などで土台を築き、借りてきた盆栽や岩などを並べ、庭園や自然の風景を表現していきます。また、桜の花や蕾は親戚や近所のご婦人たちが、早い時期から1個ずつ手造りをして準備しています。

<平成27年3月、資料写真追加>
のべ100人前後で約1週間かけて座敷雛を建てます(地元では「建てる」と言います)。お互いに助け合う「結(ゆい)」の精神が根付いている地域だからこそ、かくも200年以上続いていると言えるのかも知れません。
▶もくじ
全国的には新暦3月3日の桃の節句に行われますが、真穴では4月2日と3日に開催されます。まさに、桃の花や桜の花が見頃を迎える季節です。戦前までは旧暦の3月3日に行われていましたが、現在は旧暦3月3日にほど近い、月遅れの4月2日と3日の2日間のみ公開(午前9時~午後10時)されます。
そして「ひなあらし(雛荒らし)」といって4日の早朝からもう取り壊しが始まります。長く飾っていると娘の嫁入りが遅れるとの理由からで、これは全国共通のようですね。それでもあまりの豪華さから観光客の方からは「2日間ではもったいない」との声を頂戴しますが、こればっかりは…ネ。現在では多いときで、2日間で2万人規模の方が訪れる春の一大イベントとなっています。
※ご当家のご厚意により一般公開されています。ご観覧の際は十分なご配慮をお願いいたします。
▶もくじ
真穴の座敷雛という言葉はすっかり定着してきましたが、これは昭和30年代からのマスコミによる造語です。対外的には使っていますが、地元では“ひなさま”という呼び名が今でも一般的です。お彼岸が明けたあたりから準備が本格化してきますので、ここ真穴地区ではこの“ひなさま建て”の時期がやってくると春の訪れを感じ始めるのです。
※参考:「真穴の座敷雛関係資料集 平成24年版」 =真穴座敷雛保存会・研究会編集=
▶もくじ
次回は座敷雛の歴史について
姉妹記事
真穴へのアクセス
座敷雛とはこがいながです
『ざしきびなって?』ご存知ない方は「座敷雛」という3文字からどんなイメージを抱かれるでしょうか。雛人形は一般に座敷に飾られることが多いですし…。実は真穴の座敷雛は「座敷」と「雛」の間に次のような文章が隠れています。
【座敷 “ 一杯に盆栽や石や苔などの小道具を使って庭園や自然の風景を再現し、その中に内裏雛を中心に配置された ” 雛】
…なんです。ややこしい説明の仕方ですみません、百聞?は一見にしかず、昨年平成25年の座敷雛(6軒)の写真をご覧ください。
【山里の春】河野家(穴井)



【和みの春】阿部家(真網代)



【美歓の里】阿部家(真網代)



【名峰喜春】吉川家(真網代)



【雛の里】上杉家(真網代)



【箱根路】古能家(小網代)



どがいですか、真穴の座敷雛はこがいながです。あばけんでしょう。
(訳:いかがですか、真穴の座敷雛はこんな感じです。すごいでしょう。)
▶もくじ
長女の初節句を祝う家庭行事
女の子の初節句を祝うひな祭り(家庭行事)ですが、特徴的なのは跡継ぎの家に長女が生まれたときだけ行うことです。当家の親類縁者、友人、近所の人たちが家具一式を運び出し、襖や畳を取り払い、何もなくなったところに、棟梁(とうりょう)と呼ばれる総指揮者の下、テーマと構想に沿って、壁や天井に幕を張り、みかんの木箱などで土台を築き、借りてきた盆栽や岩などを並べ、庭園や自然の風景を表現していきます。また、桜の花や蕾は親戚や近所のご婦人たちが、早い時期から1個ずつ手造りをして準備しています。



<平成27年3月、資料写真追加>
のべ100人前後で約1週間かけて座敷雛を建てます(地元では「建てる」と言います)。お互いに助け合う「結(ゆい)」の精神が根付いている地域だからこそ、かくも200年以上続いていると言えるのかも知れません。
▶もくじ
お披露目は4月2日と3日
全国的には新暦3月3日の桃の節句に行われますが、真穴では4月2日と3日に開催されます。まさに、桃の花や桜の花が見頃を迎える季節です。戦前までは旧暦の3月3日に行われていましたが、現在は旧暦3月3日にほど近い、月遅れの4月2日と3日の2日間のみ公開(午前9時~午後10時)されます。そして「ひなあらし(雛荒らし)」といって4日の早朝からもう取り壊しが始まります。長く飾っていると娘の嫁入りが遅れるとの理由からで、これは全国共通のようですね。それでもあまりの豪華さから観光客の方からは「2日間ではもったいない」との声を頂戴しますが、こればっかりは…ネ。現在では多いときで、2日間で2万人規模の方が訪れる春の一大イベントとなっています。
※ご当家のご厚意により一般公開されています。ご観覧の際は十分なご配慮をお願いいたします。
▶もくじ
地元では“ひなさま”
真穴の座敷雛という言葉はすっかり定着してきましたが、これは昭和30年代からのマスコミによる造語です。対外的には使っていますが、地元では“ひなさま”という呼び名が今でも一般的です。お彼岸が明けたあたりから準備が本格化してきますので、ここ真穴地区ではこの“ひなさま建て”の時期がやってくると春の訪れを感じ始めるのです。※参考:「真穴の座敷雛関係資料集 平成24年版」 =真穴座敷雛保存会・研究会編集=
▶もくじ
次回は座敷雛の歴史について
座敷雛はいつ頃から始まったのですか?ご質問を良くいただきますので、座敷雛の歴史について簡単にご説明を!はじまりは古く、時をさかのぼること231年前、江戸時代中期の...
姉妹記事
「座敷雛(ざしきびな)」に関する記事はいくつか掲載してきました。が、情報が分散して『あっちこっち見に行くのが面倒』というご意見もチラホラ。安心してください!…
真穴へのアクセス
真穴地区は四国・愛媛県の南西部に位置する八幡浜(やわたはま)市にあります。八幡浜市は松山市と宇和島市の中間にあり、やや宇和島市寄りに位置します。全長約50kmの...
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