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    from Ma-ana district,
    Yawatahama City,Ehime Prefecture.

    避難訓練・防災訓練2016~南海トラフ巨大地震に備えて~

     9月1日の防災の日を前に、8月28日(日)に八幡浜市自主防災会連絡協議会による、南海トラフ巨大地震発生を想定した市内一斉の避難・防災訓練が行われました

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     真穴地区では海抜10m以上になる場所に、各谷・各常会毎に真網代地区5ヶ所・穴井地区3ヶ所の津波一時避難場所が設定されています。午前7時40分、大津波警報のサイレンと共に一斉に避難が開始されました。

     真穴地区の訓練参加者は合計726人(真網代地区372人、穴井地区354人)で、参加率は60.9%でした。真網代地区では6月に、大雨による影響で数か所の地面に亀裂が入り、八幡浜市から避難指示が発令されました。ほとんどの人が何も持たずに避難し、発令中に薬などを取りに自宅に戻るといった事案が報告されました。

     そこで、真穴地区自主防災会では昨年に引き続いて「非常持出袋を持参しよう!」を重点目標に掲げ周知を図り、真網代地区で5割の人が、穴井地区で4割強の人が今回の訓練で持参しました。ちなみに、ヘルメット着用率は4割強(穴井地区)でした。

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     一時避難場所では消防団による心肺蘇生法のミニ防災訓練があり、参加者も実際に行いました。肘を曲げずに結構な力と回数が必要で、思った以上に大変そうでした。

    倒れている人を見たら(人工呼吸を訓練していない場合)
    肩を軽く叩きながら声をかけ、
    反応が無い場合は、大声で助けを求め、119番通報AED搬送を依頼します。
    呼吸を確認し、
    普段の呼吸が無い場合は、すぐに胸骨圧迫30回行います。
    パーに広げた手の指の間にもう片方の手の指を組み込み、
    肘を伸ばし手の付け根に体重をかけながら、
    胸の真ん中(乳首と乳首の真ん中)を圧迫します。
    強く(胸が4~5cm沈むまで)、
    早く(1分間に100回のテンポ)、
    絶え間なく(30回連続)行います。
    圧迫と圧迫の間は力を抜きます(胸から手を離さない)。
    AEDが到着したら電源を入れ、音声ガイドに従って電極パッドを胸に貼ります。
    電気ショックの必要性はAEDが判断します。
    AEDの音声ガイドに従います。
     -真穴分団1部 防災訓練資料より-
    AEDの設置場所真穴地区公民館真穴小学校真穴中学校穴井診療所です。
     
     避難訓練のあと、真網代自主防災会では「応急手当・AED操作・消火器訓練」が、穴井自主防災会では「図上演習」が行われました。

     真穴地区公民館で行われた穴井地区の「図上演習その2」をご紹介します。昨年度は自宅から一時避難場所までの、今年度は一時避難場所から避難所となる真穴小中学校体育館までの避難経路の確認や避難生活等の考察です。

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    【七つの設問】
    宇和海では51分後に1mの津波が、72分後には9mの津波が予想されます。そこで、あなたは地震が起きてから20分ぐらいの内に、どのような行動がとれると思いますか?

    一時避難場所に於いて、天気の動向により長時間の退避は難しいと思われます。そこで、移動して退避可能な場所として使える倉庫に、緑色のシールを貼ってください。

    一時避難場所から学校までの経路を考えてみてください。主要道路は黒色の、狭くても安全の可能性がある道路は茶色のマジックでマーキングしてください。

    数日間のライフラインの遮断も予想されます。飲料水は一人一日3ℓ確保されていても、トイレに流す水、洗い物に使う水も必要となります。そこで、食料や衣服等、避難生活に於いて必要なものを考えてください。

    避難する際に、非常持出袋に入れておく物として、何が何日分必要か考えてみてください。

    避難生活が長期になったと思ってみてください。共同生活の中で気になること、気を付けることを考えてみてください。 

    防災倉庫に、普段から揃えておいてもらいたいものは何か考えてみてください。
      -穴井自主防災会 防災訓練資料より-

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     約40分の図上演習が終了し、各班の代表者からまとめの報告がされました。非常持出袋に必要な物として、飲み水や食料以外にも、寒さを凌げる物、ラップ、消毒液はじめ衛生用品、薬、変わったところで塩や砂糖などが上げられました。

     ラップは、紙皿の上に敷いて使用後にラップだけ処分すれば、皿も再利用でき、洗う手間と水の節約にもなります。塩分はおにぎりや白いご飯を食べやすくします。熊本地震の際にテレビで紹介されていましたが、避難所に「ふりかけ」を差し入れたところ、食欲も増し元気になれたと大変喜ばれたそうです。

     また、最初の20分の内に貴重品を入れておくという声も。必要な物は個人によって異なりますので、普段から意識して備えておきたいところです。

     避難生活では、どの班からもプライバシーを心配する声が上がり、目隠し用の段ボールや布とロープ、ベニヤ板などの必要性を訴えていました。また、カセットコンロや簡易トイレ、情報の収集・発信に欠かせないスマホの充電器、学校体育館のトイレの洋式化、伊方原発の事故に備えて安定ヨウ素剤の確保などの要望もありました。

     防災倉庫には水やカンパン、非常食などが備蓄されていますが、全員に行き渡る量は到底確保できません。真穴地区は八幡浜市最南端に位置し「公助」までには時間が掛かると予想されます。先ずは自分の命は自分で守る、それからお互いに助け合う。各人が高い意識を持って普段から備えておくことが強く求められます。

     昨年と今年の2回の図上演習による成果を踏まえ、ハザードマップの作成がいよいよ今年度中を目標に作成されるそうです
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