「真穴の座敷雛」2016 大野家 中栄家




座敷雛 ご当家(小網代) 父:大野正博さん 母:純子さん
由莉(ゆり)ちゃんのお名前は、「女の子らしく、かわいらしい響きのある名前にしました。笑顔と穏やかな心を持つ優しい子に育ってほしい」との願いを込めて命名されました。

座敷雛 棟梁は二宮長史さん、テーマは【水ぬるむ頃】です。
「暖かい春の光りを浴び、草木が芽吹き、池の水がほんのりとぬるむ頃を表現し、そこに雛人形を華やかに配置しました。この座敷雛のように、真穴の暖かい風土の中で明るく心豊かに育ってほしい」との願いを込めて建てられました。






入った途端に、20畳の大パノラマに驚嘆の声が上がります。遠近感を重視し、様々な工夫を施される棟梁さんですので、それ以上の広さすら感じてしまいます。見る位置を少し変えるだけで幾通りもの風景を楽しむことができ、白と柔らかいピンクの花、若草やアクリルの静かな湖面が、暖かで穏やかな春の到来を感じさせてくれます。


夜になると、庭にある宇和海を見下ろす樹齢250年の松の木がライトアップされ、近くの石の階段の脇に並べられた、色とりどりの行燈に誘い込まれるように、夜の座敷雛を楽しむ人たちで遅くまで賑わいを見せていました。




座敷雛 ご当家(穴井) 父:中栄康雅さん 母:奈緒美さん
杏奈(あんな)ちゃんのお名前は、「杏の花のように、可愛く育つように」との願いを込めて命名されました。

座敷雛 棟梁は冨永鶴光さん、テーマは【湖畔の里】です。
「水ぬるむ里山で、草木をめでる雛たちの楽しげな様子をイメージし、杏奈ちゃんの健やかななる成長を願うという思いを込めて」建てられました。





穴井歌舞伎の流れを汲む棟梁さんで、石垣を組むのを得意とされ、近くの灘の浜などで採取した石を積み上げています。目の前の5kgの大きな鯛に度肝を抜かれますが、目線を少し上にやると、奥で湖面が輝いているのが目に飛び込んできます。

これはラップを使って、湖面の“ゆらぎ”を表現したもので、今回が真穴の座敷雛では初お目見えの技法です。岸辺の小石の配置といい、まるで本物の水が張られているかのような錯覚を覚えます。



日が暮れると竹に灯がともされます。昼間とはまた違ったコントラストを楽しみに、夜の座敷雛に来られる方で遅くまで賑わいます。
追記


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